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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
2月号
先代のやり方を守るだけでは、会社は次の世代に進めない
―後継者が“自分の経営”をつくるために、本当に必要な視点

こんにちは。横浜市南区の3代目税理士・公認会計士、佐々木彰です。

「先代が築いた会社を壊したくない」

「でも、このままでいいとも思えない」

後継者の多くが、この2つの気持ちの間で揺れています。

これは、とても健全な悩みです。

会社を続けるためには、

守るべき土台と、今の時代に合わせて変えるべき部分の両方が必要です。

今回は、後継者が「先代の延長」ではなく、「次の経営者」として歩み出すために、本当に“付け加えるべき要素”についてお話しします。


1.先代のやり方は「完成形」ではない

先代の経営は、その時代・その環境での最適解でした。

しかし、それは「今の時代でも通用する完成形」という意味ではありません。

・人が集まりにくい

・原価や人件費が上がり続ける

・意思決定のスピードが求められる

こうした環境の変化の中で、

やり方を変えずに会社を守ること自体がリスクになる場面も増えています。

先代を否定する必要はありません。

でも、「同じやり方を続けること=守ること」でもないのです。


2.土台として必ず守るべき3つのこと

後継者がまず守るべきは、次の3つです。

① 会社の信用

お客様・金融機関・社員との信頼関係は、最重要の資産です。

② 事業の強み

「なぜこの会社が選ばれてきたのか」という理由は、必ず残すべき核です。

③ お金の流れの健全性

無理な投資や急激な改革は、会社の体力を奪います。

ここを壊さずに維持することが、後継者の“最低限の責任”です。


3.後継者が“付け加えるべき”経営の視点

一方で、後継者だからこそ付け加えられるものがあります。

● 経営判断を「数字と言葉」で説明する力

先代は感覚で判断できたことも、今の社員には伝わりません。

後継者は「なぜそうするのか」を説明する役割を担います。

● 組織で動く前提の経営

先代は「自分が動く経営」

後継者は「人が動く経営」

ここを切り替えられるかが分かれ道です。

● 中長期視点

目先の利益だけでなく、「3年後・5年後どうなっていたいか」を言語化すること。

これが、後継者独自の経営色になります。


4.組織は「同じやり方」では動かなくなる

後継者が直面する壁の一つが、

「先代のやり方では、社員がついてこない」という現実です。

・言われたことはやるが、考えない

・改善提案が出てこない

・指示待ちになる

これは社員の問題ではなく、組織設計の問題です。

後継者には、

・数字を共有する

・考える余地を与える

・小さな裁量を任せる

といった、“組織が動く仕組み”を付け加える役割があります。


5.まとめ:後継者の仕事は“上書き”ではなく“更新”

後継者の仕事は、

先代の経営を消すことでも、そのままコピーすることでもありません。

大切なのは、

土台を活かしながら、今の時代に合う形へ更新すること。

そのために必要なのは、

・冷静な数字

・組織を見る視点

・未来を語る言葉

これらを少しずつ付け加えていくことです。

「自分なりの経営をつくりたい」と思った瞬間こそ、

後継者として本当にスタートした証です。


2026/02/01
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